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ふしぎなメリーゴーランド

 

おじいさんが作ったメリーゴーランドの木彫りの動物たちには秘密がありました。毎晩30分だけ、本物の動物になるのです。おじいさんは、その時に動物たちにたっぷり餌をあげてかわいがってあげます。でも、おじいさんは年をとって移動遊園地を周るのが難しくなったので、動物たちを売ることにしました。動物たちを大切にする、という条件で。ところが、メリーゴーランドを買ったポメランツォは、約束を守らず餌などやろうともおもいません。本当は10周まわさなければいけないのに7周にして、お金を多く儲けることばかりをかんがえていました。動物たちは悲しくてたまらなくなりました。けれどもある夜、子馬をかわいいと思った女の子が駆け寄ってなでると、子馬は本物の馬になります。とはいえ木彫りの動物が本物になるなんてボメランツォには信じられません! けれど子豚も、羊も、なんと虎まで! とても不思議な展開なのに、こうなるよね、と子どもたちは深く共感しそうな展開。素直なおはなしなので、読んであげれば低学年でも楽しめそう。