児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

みんなの世界

 

この広い世界には、たくさんの人が住んでいます。みんなで楽しく暮らすために、だれかひとりが自分勝手なことをしないように、「法律」という決まりがあります。そして、法律を守らせるおまわりさん、法律をつくる国会議員がいて、私たちは成人になると投票をして国会議員を選ぶことができます。また、私たちの支払う税金は、暮らしを支えるために働く人たちのお給料にもなります。

私たちの世界は、まだ完璧にいいとは言えないけれど、「みんなでよくしようとおもえば、もっともっといい世界をきずいていくことができます。」と結びます。

”みんなの世界”にとっては困った人たちについて、自分勝手にさわいだり順番を守らなかったりする「おらがくん」とか、お菓子をとっちゃう「どろぼう」、なんでも嫌がる「いやいやさん」など、子どもにとってわかりやすい命名と日常の場面でたとえ、ゆかいな挿絵を添えます。

「あなたやあなたは、このなかにはいないでしょうね。」という文章で、2つめの「あなた」を赤色(女の子の意味)で表示しているのが、ジェンダーの固定的なイメージとして今はどうだろう、「あなた」1つでいいのではと、少々気になるところです。 (は)