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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ぼくは少年鉄道員

 

ドイツには、子どもたちが本物のSLを走らせている場所があります。広い公園内を走る、小さいけれどれっきとした鉄道路線です。

担当するのは11歳~18歳くらいの少年少女。学校が休みの週末や長期休暇に子ども鉄道員として働きます。年齢と経験によって、切符の販売や車掌、機関士、駅長など、できる役割が決まっています。機関車のつけかえや、遮断機の上げ下ろし、点検や整備も行います。

1956年に始まるという子ども鉄道の歴史。社会主義東ドイツで、勉強と働くことを一緒にやることがよいと考えられた施設が、東西統一後も子どもたちの強い希望で引き継がれました。確かに、本物のお客さん相手に務めをはたす子どもたちの表情は、とても真剣で、楽しそうで、なによりも誇らしげ。そのいきいきとした姿をとらえた写真絵本です。 (は)