フィーリックスは、まもなく13歳。ママのアストリッドと暮らしている。以前はおばあちゃんの家でみんな一緒に暮らしていた。だけどおばあちゃんは死んでしまった。そこからトラブルが始まる。おばあちゃんの家を売って買ったマンションは欠陥が見つかり、安く手放すしかなかった。ママの仕事もなくなる。アパートに移り、次は地下の部屋に移ったけれど、仕事は見つからず、家賃が払えずに追い出されてキャンピングカーで暮らし始めることになった。もちろん「一時的な事」だった。ママは仕事についてもなかなか続かない。落ち込むと起きられなくなるんだ。お風呂やトイレが恋しい。そしてちゃんとした食事も。行きたかったフランス語が履修できる中学に進学でき、昔の親友ディランと再会。まじめ一直線だけどなぜか気になるウィニーというガールフレンドもできた。だが、ママの就職はいつまでもうまくいかない。気づいたら、ママがスーパーで万引きするのを見てしまった。誰かに助けてもらいたい。でも、そんなことをしたらママと暮らせなくなる。雑学が得意で記憶力がいいフィーリックスがつかんだチャンスは、クイズ出場。優勝すれば2万5千ドルの賞金が手に入る。そうすれば家賃が払えるようになって解決するはず! 少しづつ状況が悪化し、徐々に抜け出せなくなるフィーリックス。ふつうにご飯が食べたい、お風呂に入りたいというささやかな願いを持ちながら、誰にも知られてはいけないという緊張感がが高まっていく。適切に助けを求める勇気! 大切にして欲しいと思います。