児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

Bおすすめ

いちばんたいせつなもの バルカンの昔話

いちばんたいせつなもの (世界傑作童話シリーズ) 福音館書店 Amazon 読んであげれば低学年でも楽しめる。「三人の男とらくだの卵」は、ちょっとのんきでぼんやりした3人男の物語だが。そのおバカ加減がなんだか楽しい。「水の精と男の子」は、さらった男の…

6カ国転校生 ナージャの発見

6ヵ国転校生 ナージャの発見 作者:キリーロバ・ナージャ 集英社インターナショナル Amazon 生れは旧ソ連時代のロシア。ロシア⇒日本⇒イギリス⇒フランス⇒日本⇒アメリカ⇒日本⇒カナダ⇒日本と、6歳から15歳までの間に頻繁な転校を繰り返し、現地校で学ぶ経験をし…

ネネット こころのなかにとりのつばさをもつおんなのこ

ネネット こころのなかにとりのつばさをもつおんなのこ 作者:アレクサンドラ・ガリバル アンドエト Amazon 主人公のネネットは自閉症で自分の世界にこもっている。同じクラスのノウは、当初隣の席に割り当てられて不満だが、ネネットが小さな折り紙の船を通…

みずうみ シュトルム ショートセレクション

シュトルム ショートセレクション みずうみ (世界ショートセレクション) 作者:シュトルム,テオドール 理論社 Amazon 失った若い日のたった一度の愛を描く「みずうみ」、昔話風の「雨の精トールデ」、リンゴを盗ろうとした少年をめぐる「リンゴが熟したとき」…

女子読みのススメ

女子読みのススメ (岩波ジュニア新書) 作者:貴戸 理恵 岩波書店 Amazon いわば、女の子向けブックガイドだが、女の子にはこういう本がお勧めよというより、さまざまな場面でのロールモデルが出てくる作品を紹介している。取り上げてある本は、ほぼ一般書で日…

ぼくらのサブウェイ・ベイビー

ぼくらのサブウェイ・ベイビー 作者:ピーター・マキューリオ サウザンブックス社 Amazon ダニーは、地下鉄に乗って家に帰る途中、小さな包みを見つける。それは布でくるまれた赤ん坊! すぐに警察に電話し、パートナーのピートにも電話をした。二人は赤ん坊…

つきよのさんぽ

こどものとも 2006年 10月号 [雑誌] 福音館書店 Amazon 満月の夜、おとうさんとぼくは散歩に出かけました。途中、かめやうさぎの親子にふたごのもぐら、かなぶんに出会います。 お月見するなら月の広場がいいと、お母さんうさぎに聞いて向かうと、広場の池に…

ドリトル先生月から帰る

ドリトル先生月から帰る (岩波少年文庫―ドリトル先生物語) 作者:ヒュー ロフティング 岩波書店 Amazon トミーが1人で地球に帰されてから1年。とうとう今夜こそ、という皆既月食の晩に、月に合図ののろしが上がります。 ほどなく、巨大イナゴに乗って、無事…

ドリトル先生月へゆく

ドリトル先生月へゆく (岩波少年文庫) 作者:ヒュー・ロフティング,井伏 鱒二 岩波書店 Amazon ”月からの使い”巨大ガの背に乗って、月へやってきたドリトル先生。同行したのは秘書役のトミーと、オウムのポリネシア、サルのチーチー。 しかし、月世界には生き…

おまつりをたのしんだおつきさま

メキシコのおはなし おまつりをたのしんだおつきさま 作者:マシュー・ゴラブ のら書店 Amazon ある晩お月さまは、星たちのうわさ話を耳にしました。人々が昼間、とてもきれいで楽しいお祭りをしていると。 うらやましく思ったお月さまは、夜の番人たちに頼ん…

山いっぱいのきんか

山いっぱいのきんか 作者:君島 久子 童話館出版 Amazon 昔むかし、月の輝くある晩に、ランフーという若者が、山へ草かりに行きました。 ふいに足元が光ったので見てみると、それはなんと、山奥までつづく金貨の道。そこへ銀髪のおばあさんが現れて、8月の十…

めぐりめぐる月

めぐりめぐる月 作者:シャロン クリーチ 偕成社 Amazon アメリカ先住民の血をひく13歳のサラは、家を出たきり戻らない母に会うため、祖父母とアメリカ横断の車旅に出た。旅の道すがら、祖父母に、親友フィービーと家族の出来事を話していくことは、自分自身…

ヘンショーさんへの手紙

ヘンショーさんへの手紙 (あかね世界の文学シリーズ) 作者:ベバリイ・クリアリー あかね書房 Amazon 6年生のリーは、母親と2人暮らし。両親が離婚し、父さんと犬のバンディットに会えなくて寂しいのと、転校した学校で弁当のおかずを盗まれるのが嫌だと思…

13歳から考える住まいの権利

13歳から考える住まいの権利 作者:葛西 リサ かもがわ出版 Amazon 著者は、ひとり親、DV被害者、性的マイノリティの住生活問題、シェアハウスに関する研究が専門。「住まいは人権」という意味を、日本の住宅政策の歴史をたどりながら、社会的弱者の目線でか…

ちいさなふたりのいえさがし

ちいさなふたりの いえさがし (こどものとも絵本) 作者:たかお ゆうこ 福音館書店 Amazon 大きなおおきなくるみの木のしたに、小さなちいさなくるみの家があって、小さなちいさなおじいさんとおばあさんが住んでいました。 ある春の朝、2人が水くみに出かけ…

イガイガ

こどものとも 年中向き 2005年3月 イガイガ 作者:さとう ゆみか 福音館書店 Amazon ちいさな川のほとりに、赤いイガイガたちの村があって、川から流れてくるどんぐりをもちについて食べていた。 ある日、川の向こう岸に青いろのイガイガたちが新しい村をつく…

グレイス・イヤー

グレイス・イヤー 少女たちの聖域 作者:キム リゲット 早川書房 Amazon 16歳を迎えた少女たちは魔力を宿し、危険な存在になるため一年間街から追放される。森の奥のキャンプで魔力を解き放ち、清らかになるために。だが、このグレイス・イヤーについては決…

帰命寺横町の夏

帰命寺横丁の夏 作者:柏葉 幸子,佐竹 美保 講談社 Amazon 祐介は、夜明けに二回の窓から、自分の家から白い着物を着た女の子が出ていくのを見てびっくりするが、さらにそれが自分のクラスにいて、自分以外のみんなは、その子をよく知っているというので混乱…

霧のむこうのふしぎな町

霧のむこうのふしぎな町 (講談社青い鳥文庫) 作者:柏葉幸子,杉田比呂美 講談社 Amazon 小学校6年生のリナは、おとうさんの勧めで霧の谷をめざしてやってきた。けれど、教えられた駅のお巡りさんは、場所がおぼつかないようす。このへんと言われた所まで来た…

さいごのゆうれい

さいごのゆうれい (福音館創作童話シリーズ) 作者:斉藤倫 福音館書店 Amazon ハジメは、小学校5年の夏休みをおばあちゃんの田舎で過ごした。そこで出会ったのはネムという幽霊の女の子。幽霊がどんどん減っている。みんなが幽霊を忘れているせいだから、思…

星ぼしでめぐるギリシア神話

星ぼしでめぐるギリシア神話 (岩波少年文庫 256) 作者:百々 佑利子,花松 あゆみ 岩波書店 Amazon 様々な出典を読み込んだ再話。読んでいて、あらためてイソップにもギリシアの神の物語があったかと気がついたりと発見があった。短い物語が多いが、そのせいか…

ドアのむこうの国へのパスポート

ドアのむこうの国へのパスポート 作者:トンケ・ドラフト,リンデルト・クロムハウト,リンデ・ファース 岩波書店 Amazon 文字は大き目で読みやすいが、中身はギッシリなので読書力のある高学年から大人向け。主人公はラウレンゾー。(ドラフトさんのファンなら…

中学生の満州敗戦日記

中学生の満州敗戦日記 (岩波ジュニア新書) 作者:今井 和也 岩波書店 Amazon 設計の仕事をしたいた父が、ハルピン工大の教授として招かれ、1937年一家で満州に渡った。ぼくは、中学3年で日本の敗戦を迎える。もっとも過酷な開拓村の住民に比べれば、まだマシ…

焼け跡に風が吹く

焼け跡に風が吹く (福音館日曜日文庫) 作者:山福 康政 福音館書店 Amazon 1941年に小学校を卒業した主人公「ぼく」は、戦時下に生きることになる。家が貧しく進学が難しいが、成績が良かったことで、叔母の援助もあり進学。だが、上級生のしごきと勤労動員の…

ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語

ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語 ポプラ社 Amazon トランプ大統領就任と、それに伴う移民排斥の中で編集されたという本。難民として転々とした経験の辛さだけではなく、祖国では楽しい経験もあったのに、悲劇の話だけを期待される辛…

ソフィーの秘密

ソフィーの秘密 (文研じゅべにーるYA) 作者:ニキ・コーンウェル 文研出版 Amazon ソフィーはフツ族、ルワンダで事件が起こる前、ソフィーにはセレステというツチ族の親友の女の子がいた。だが、セレステはある日いなくなってしまった。そして父も部族対立の…

君の話をきかせてアーメル

君の話をきかせてアーメル (文研じゅべにーる) 作者:コーンウェル,ニキ 文研出版 Amazon 難民としてイギリスに来たクリストフも中学生になった。アフリカから転校生のアーメルがやって来て、互いにフランス語がしゃべっるというので隣の席になるが、アーメル…

ロザリーのひみつ指令

ロザリーのひみつ指令 作者:ティモテ・ド・フォンベル あかね書房 Amazon ロザリーはまだ5歳だけど秘密の使命がある。おかあさんが仕事にいけるように、校長先生にあずけられ、教室の隅でお絵描きをしているように見えるけど、ロザリー大尉は自分の使命を忘…

パンに書かれた言葉

パンに書かれた言葉 作者:朽木 祥 小学館 Amazon イタリア人のママと日本人のパパを持つ私の名前は光・S・エレオノーラ。Sは、ある言葉の略。3.11の震災の後、本当は中学2年に上がる前のこの春休みに家族でイタリア旅行にいくはずだったのが、一人でイタリ…

プーさんの戦争 世界一有名なクマのお話

プーさんの戦争: 世界一有名なクマのお話 (評論社の児童図書館・文学の部屋) 作者:リンジー・マティック,ジョシュ・グリーンハット 評論社 Amazon カナダで、母熊が殺された後、男の子が育てようとしたクロクマの子は、いたずらすぎてすぐに手に負えなくなり…