児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

海へ出るつもりじゃなかった(上)(下)

海へ出るつもりじゃなかった(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ) 作者:アーサー・ランサム 岩波書店 Amazon 海へ出るつもりじゃなかった(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ) 作者:アーサー・ランサム 岩波書店 Amazon 帆船ゴブリン号の持ち主ジムのもと…

サンゴしょうの海

サンゴしょうの海 (たくさんのふしぎ傑作集) 作者:本川 達雄 福音館書店 Amazon 3年生の夏休み、ぼくは沖縄の瀬底島(せそこじま)にきた。パパが魚の研究をする間、ぼくは研究所のおじさんの案内でさんごしょうの海をダイビング。亜熱帯の海には色とりどり…

うおいちば

うおいちば (かがくのとも絵本) 作者:安江 リエ 福音館書店 Amazon きよの家族は、魚市場で仲卸しの仕事をしています。今日はきよも市場へ連れて行ってもらうのです。まだ暗い朝の4時に起きて港へ向かいます。いろいろな魚や貝の入った数々の箱。外国の海で…

ジンベエザメのはこびかた

ジンベエザメのはこびかた (ほるぷ水族館えほん) 作者:高岡 昌江 ほるぷ出版 Amazon 世界一大きい魚ジンベエザメは、全長およそ5メートル体重1トン。高知の漁船の網にかかったのを、大阪の海遊館で飼うことになり、460キロメートルの道のりを運びます。水…

くさる

くさる (かがくのとも傑作集) 作者:なかの ひろたか 福音館書店 Amazon ごみバケツから「いやーなにおい」がする。それは、くさったにおい。くさったにおいは「食べるとお腹をこわすよ」と教えてくれている。くさったごみを庭にうめると、みみずやだんごむし…

指ぬきの夏

指ぬきの夏 (岩波少年文庫) 作者:エリザベス・エンライト 岩波書店 Amazon からからに乾いた日照りの夏。9歳のガーネットは川で銀色の指ぬきを見つけました。「魔法の指ぬき!」と持ち帰ったその晩おそく、雨が降り出し父さんの畑は救われます。新しい納屋…

つぎに読むの、どれにしよ?

つぎに読むの、どれにしよ? 作者:越高 綾乃 かもがわ出版 Amazon エッセイ的読書案内。紹介されるのは、パディントン、ピッピ、アントン、グリーン・ノウ、メアリー・ポピンズなど長く読み継がれている作品。子どもの頃から海外児童文学に親しみくり返し読ん…

子供の科学STEM体験ブック 工作でわかるモノのしくみ

工作でわかるモノのしくみ: AI時代を生きぬくモノづくりの創造力が育つ (子供の科学STEM体験ブック) 作者:アーノルド,ニック 発売日: 2018/08/02 メディア: 大型本 Sは科学(science)、Tは技術(technology)、Eは工学(engineering)、Mは数学(maths)の…

はじめての手づくり科学あそび2 ひかり・かげ・おとであそぼ

はじめての手づくり科学あそび〈2〉ひかり・かげ・おとであそぼ 作者:博志, 西,ようこ, こば 発売日: 2014/12/01 メディア: 大型本 科学工作の本だが、「ひかり」「かげ」「おと」とテーマでわけてそれぞれまとめている。特殊な材料を使わず、工程もそれほど…

海は広いね、おじいちゃん

海は広いね、おじいちゃん 作者:五味 太郎 絵本館 Amazon おじいちゃんと一緒に海へ来た男の子。「広いねえ、おじいちゃん」「船だよ」「だれか泳いでくるよ」と、おじいちゃんにせっせと話しかけます。でもおじいちゃんは、パラソルの下で背を向けて熱心に…

のんびり村は大さわぎ

のんびり村は大さわぎ! (児童書) 作者: アンナレーナヘードマン,杉原知子,Annalena Hedman,菱木晃子 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2016/05/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 10歳のアッベが、豪華客船の旅の中で去年の夏休みの出来事…

日本の川 たまがわ

日本の川 たまがわ 作者:村松 昭 偕成社 Amazon 多摩川の水源林が広がる秩父山地から東京湾の羽田空港まで、鳥瞰図でたどります。案内役は、山の神のおおかみとその使いの男の子。2人の会話からなる文章で、多摩川周辺の自然と人々の暮らしの歴史がわかりま…

村の樹

村の樹 創風社 Amazon 日本の南の島、ぼくの生まれ育った村には、川岸に大きな樹が立っていた。夏になるとぼくたちは、その樹や川で存分に遊ぶ。樹の上に家を作ったり、せり出した枝から川に飛びこんだり。水の中に「イイイ」と息を吐きだしながら泳げばまる…

絵本 大相撲

絵本 大相撲 作者:三宅 充 アリス館 Amazon 錦絵と相撲甚句で大相撲を解説する絵本。相撲甚句は元力士、文章は大相撲雑誌の編集長が担当。顔ぶれ言上、取組、弓取式、旅、化粧まわしなどを描いた錦絵に合わせて、子ども向けにわかりやすくリズムよく、楽しい…

おおずもうがやってきた

おおずもうがやってきた 154号 (科学絵本「かがくのとも」) 作者:西村 繁男 Amazon うちの文庫に来ている3歳の女の子が、最近おすもうにはまっていると聞いて思い出したのがこの絵本。地方巡業での種子島場所の1日を描きます。ひと足先に始まっている土俵…

ケティのはるかな旅

ケティのはるかな旅 作者:レベッカ・コーディル 冨山房 Amazon 時は1780年。アメリカ開拓時代、白人とネイティブ・アメリカンとの抗争(侵略)、女性は夫や男性に従わざるをえなかった時代背景。モラビア教の修道僧が営む宿屋で働くケティの元へ、兄だと名の…

赤いカヌーにのって

赤いカヌーにのって 作者:ベラ・B. ウィリアムズ あすなろ書房 Amazon ある日あたしは、よその家の庭に「売ります」と書いてある赤いカヌーを見つけました。そこで母さんとロージーおばさん、いとこのサムの4人でお金を出し合って、そのカヌーで旅に出るこ…

橋の上の子どもたち

橋の上の子どもたち (文学の扉) 作者:パドマ・ヴェンカトラマン 講談社 Amazon インド出身の作家によるインドを舞台にした作品。ラクとヴィジは姉妹。ラクが姉だが、ヴィジはいつもラクのことを気にかけている。母さんは、ラクを外に出したがらない。ラクの…

きょうだいトロルのぼうけん

きょうだいトロルのぼうけん (世界の傑作童話 8) 作者:ガンヒルド・セーリン 学研プラス Amazon 古い石橋に小人のトロルが住んでいました。おじいさん、おばあさん、パパ、ママ、モッサに妹のラーバ、そしてまだ赤ん坊のおちびちゃんです。ある日このおちび…

スヴェンさんの橋

スヴェンさんの橋 作者:アニタ ローベル セーラー出版 Amazon スヴェンさんは橋の番人。はね橋を毎日手入れして、船がきたら開いて通し、向こう岸からくる村人にはココアをふるまい喜ばれていました。ところがある日、大きな船に乗った王様が橋の上がるのを…

大切な人は今もそこにいる

大切な人は今もそこにいる: ひびきあう賢治と東日本大震災 (世界をカエル 10代からの羅針盤) 作者:望, 千葉 理論社 Amazon 冒頭、「これは、私的なメメント・モリです。」(「死を忘れるな」の意)とあり、そうだなと思う内容でした。東京に暮らす著者の実家…

ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 作者:上橋 菜穂子,津田 篤太郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/10/30 メディア: 単行本 母親が癌に罹り、母の死をリアルに考える事態に直面した上橋氏と、偶然その母の治療に参与してもらうこととなった津…

子どもの本がつなぐ希望の世界ーイェラ・レップマンの平和への願い

子どもの本がつなぐ希望の世界: イェラ・レップマンの平和への願い 彩流社 Amazon 2014年に行われた日本国際児童図書評議会(JBBY)40周年の展示内容をベースに貴重な講演録や寄稿で構成。『子どもの本は世界の架け橋』でもやもやしていた部分が、本書ですっ…

子どもの本は世界の架け橋

子どもの本は世界の架け橋 作者:イェラ レップマン こぐま社 Amazon 第2次大戦直後、ユダヤ人のイェラ・レップマンは亡命先のイギリスからドイツに戻り、平和への願いから子どもの教育「子どもの本を通しての国際理解」に取り組んだ。”世界の子どもたちが「…

ほしになったりゅうのきば

ほしになった りゅうのきば (日本傑作絵本シリーズ) 作者:君島 久子 株式会社 福音館書店 Amazon 「子どもがほしい」と言いくらしていた老夫婦のもとへ、大きな石から赤ん坊が生まれる。サン(英雄)と名づけられ立派な若者に育つ。ある日、龍の兄弟による争…

真昼のゆうれい

真昼のゆうれい (てのり文庫 5C11) 作者: シド・フライシュマン,長尾みのる,久保田輝男 出版社/メーカー: 学研プラス 発売日: 1988/12 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 真夜中生まれのぼくことオリバー・フィンチは、ゆうれいを見る力があると言…

さいごのゆうれい

さいごのゆうれい (福音館創作童話シリーズ) 作者:斉藤倫 福音館書店 Amazon 詩人の作者。比喩やオノマトペ、詩のような表現が独特な文章。 ハジメはお父さんと2人暮らし。小さい頃にしんだおかあさんのことは覚えていないし、かなしいと思ったこともない。…

火の鳥ときつねのリシカ ―チェコの昔話

火の鳥ときつねのリシカ――チェコの昔話 (岩波少年文庫) 作者:出久根 育 岩波書店 Amazon 表題話は、食べ物を分けてくれた王子への恩をつらぬくきつねのリシカが、王子の自らまねく窮地を何度となく救い(兄に殺されてもよみがえらせる!)、壮大な親心を感じ…

ヴォドニークの水の館

ヴォドニークの水の館 作者:まきあつこ ビーエル出版 Amazon 貧しくひもじい暮らしがつらくて家をとび出したむすめ。川へ身を投げようとしたところ、水辺の主ヴォドニークが現れ、水底にある館へ連れていかれます。ここで食べさせてもらうかわりに館の掃除を…

シカの童女

シカの童女 作者:岡野 薫子 復刊ドットコム Amazon ある夜のこと、山でシカの見守る赤ん坊をひろった北の山の仙人。かわいい女の子に育ったその子は一言も口をきかない。ある日、いろりの火だねが消えてしまい、南の山の仙人のところへ使いに出す。険しい山…