児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

A特におすすめ

くまのパディントン

くまのパディントン 作者:マイケル・ボンド 福音館書店 Amazon ある日、ブラウン夫妻がパティントン駅で出会った、ちょっと変わったクマ。つば広の帽子をかぶり、スーツケースの上に腰かけ、首には「どうぞこのくまのめんどうをみてやってください。おたのみ…

16歳の語り部

16歳の語り部 作者:雁部 那由多,津田 穂乃果,相澤 朱音 ポプラ社 Amazon 2011年3月11日。宮城県東松島市の海岸から2.3km、大曲小学校の5年生だった3人は、中学校を卒業した春、震災を伝える語り部の活動を始めた。 目の前で津波にのまれる男性の姿。避難所…

ホントに食べる?世界をすくう虫のすべて

ホントに食べる?世界をすくう虫のすべて 文研出版 Amazon 人口増加や地球温暖化の課題解決に注目される昆虫食について、昆虫料理研究家(内山昭一氏)監修のもと、徹底解説。 そもそも虫とは?、虫を食べることのメリット、虫ごはんの歴史、日本や世界の「お…

月のケーキ

月のケーキ 作者:ジョーン・エイキン 東京創元社 Amazon エイキンの晩年に編まれた珠玉の短編集。 「いくつかに、死の気配が漂っている」と訳者あとがきにあるうち、私が気に入ったのは「羽根のしおり」。母の死に立ち会えなかった少年が、お墓を7周まわる…

おはようからおやすみまでの12のわらべうたえほん

おはようからおやすみまでの12のわらべうたえほん ハッピーオウル社 Amazon 歩くようになった幼い子のためのわらべうた。 子どもの生活は、眠る、食べる、遊ぶとシンプルです。1日の生活リズムを整えることの大切さを説き、その流れを自然につくってくれる…

あかちゃんのごきげんがよくなる12のわらべうたえほん

あかちゃんのごきげんがよくなる12のわらべうたえほん ハッピーオウル社 Amazon 生まれてから歩く前の赤ちゃんのためのわらべうた。1つずつにつく解説が親切で、すぐにやってみたくなります。 「ちっち ここへ とまれ」は、指先に視線を合わせ視覚と手先の…

フランバーズ屋敷の人びと5 愛ふたたび(下)

フランバーズ屋敷の人びと 5 愛ふたたび(下) (岩波少年文庫) 作者:K.M.ペイトン 岩波書店 Amazon ディックとのすれ違いが続く中、クリスチナは車の運転を習い、レースにチャレンジする。かつてウィルと楽しんだ日々がよみがえる経験だが、ディックは車もレー…

フランバーズ屋敷の人びと4 愛ふたたび(上)

フランバーズ屋敷の人びと 4 愛ふたたび(上) (岩波少年文庫) 作者:K.M.ペイトン 岩波書店 Amazon ディックとの幸せな新しい暮らしが始まるはずだったのに、二人は微妙にすれ違う。フランバーズ屋敷の使用人も、近隣の屋敷の人々も、ディックを主人として受け…

フランバーズ屋敷の人びと3 めぐりくる夏

フランバーズ屋敷の人びと 3 めぐりくる夏 (岩波少年文庫) 作者:K.M.ペイトン 岩波書店 Amazon 冒頭でいきなりのウィルの戦死、さらにマークも戦地で行方不明。21歳となって財産を相続したクリスチナは、フランバーズ屋敷に帰ってくる。荒れ果てた屋敷にいる…

フランバーズ屋敷の人びと2 雲のはて

フランバーズ屋敷の人びと2 雲のはて (岩波少年文庫) 作者:K.M.ペイトン 岩波書店 Amazon 駆け落ちしたとはいえ、生計の道がたたなければ結婚などできない。クリスチナはおばの家に身を寄せ、ウィリアムは飛行場での仕事を探すが、足が悪い彼を雇ってくれる…

フランバーズ屋敷の人びと1 愛のたびだち

フランバーズ屋敷の人びと〈1〉愛の旅だち (岩波少年文庫) 作者:K.M. ペイトン 岩波書店 Amazon ヴァレンタインにはラヴロマンスを! 再読してみて、やはり一気に読み進んでしまうおもしろさだな、思った。5歳で両親を亡くし、親せきをたらいまわしにされて…

翻訳ってなんだろう?

翻訳ってなんだろう? (ちくまプリマー新書) 作者:友季子, 鴻巣 筑摩書房 Amazon 翻訳とは、原作をとことん読んで理解する読書でもある、という著者の言葉に納得。正確に訳すのは当然だが、そこで描写されている視点、主人公の気持ちで言葉が変わってくると…

パン焼き魔法のモーナ、街を救う

パン焼き魔法のモーナ、街を救う (ハヤカワ文庫FT) 作者:T キングフィッシャー 早川書房 Amazon ハヤカワ文庫だが、原書はローカス賞ヤングアダルト部門等、ヤングアダルト関係の賞を総なめしたというヤングアダルト向き作品。主人公は14歳のパン屋で働く…

本屋さんのダイアナ

本屋さんのダイアナ(新潮文庫) 作者:柚木 麻子 新潮社 Amazon 大穴と書いてダイアナと読ませる。そんなとんでもない名前をつけた母親がうらめしいダイアナ。だけど小学校3年になった時、自分の名前を「『赤毛のアン』の親友はダイアナというんだよ」と名…

妖怪がやってくる

妖怪がやってくる (岩波ジュニアスタートブックス) 作者:佐々木 高弘 岩波書店 Amazon 妖怪はどこからやってくる? と問われ、妖怪にはちゃんと(?)出現ポイントがあることが示される。当時の記録の資料を使って論証、そしてそれが宮中に向う”道”の入口に…

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 作者:ブレイディ みかこ 新潮社 Amazon 息子も中学2年。庭に置いた廃棄予定の品をルーマニア家族に譲ったことをきっかけに、不要な物のリサイクルと、隣人と分かち合うことの違いを考え込んだり、仲が良かっ…

トラからぬすんだ物語

トラからぬすんだ物語 作者:テェ・ケラー 評論社 Amazon 突然ハルモニ(おばあちゃん)の家に引っ越すと言い出したママ。姉さんのサムは怒り狂っているけど、私リリーは何も言えない。いつでもおとなしいママのいい子だから。だけどハルモニの家のすぐ前で、…

かわいい子ランキング

かわいい子ランキング (ほるぷ読み物シリーズ セカイへの窓) 作者:ブリジット・ヤング ほるぷ出版 Amazon 学校のみんなに誰かが送ってきた「かわいい子ランキング」。自他ともに認めるかわいいソフィーが2位なに、地味なイヴが1位。こんなことをしたのは誰…

じゅうにしものがたり

じゅうにしものがたり―ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・ 作者:瀬川 康男 グランまま社 Amazon ねずみが、十二支のうしろから順に動物たちの背中をわたってゆき、神さまの前に1番に降り立つという趣向。神さまの前に集まるのは1月の2日…

絵本きりなしばなし

絵本きりなしばなし (日本傑作絵本シリーズ) 作者:梶山 俊夫 福音館書店 Amazon 4話を収める。人間を食おうと大口を開けて待ち受けていたおおかみの腹を通り、速足の飛脚があっというまに駆け抜けていく「おおかみとひきゃく」。山へ柴刈りに行ったじじが二…

てつがくのライオン―工藤直子少年詩集

てつがくのライオン―工藤直子少年詩集 (詩の散歩道) 作者:工藤 直子 理論社 Amazon 「のはらうた」シリーズで、生き物たちの思いを代弁して楽しませる工藤直子さん。 本詩集でも、ねこやくま、ごまめや、そらまめ、ピーマンなどの心を描く「いきものたち」、…

メリークリスマス―世界の子どものクリスマス―

メリークリスマス ―世界の子どものクリスマス 作者:R・B・ウィルソン ビーエル出版 Amazon 世界各国の子どもたちがどんな風にクリスマスを祝い楽しむかを、細やかな美しい挿絵とともに。 最初のイエス誕生の物語に続けて、そのときそばにいた動物たち(め…

巨人の花よめ スウェーデン・サーメのむかしばなし

巨人の花よめ (世界のむかしばなし絵本シリーズ) 作者:菱木晃子 ビーエル出版 Amazon むかし、スゥエーデンの北の大地に、サーメ人の親子が住んでいました。父親のネイネ・パッゲとむすめのチャルミです。チャルミは賢く、また美しく、たくさんの結婚の申し…

ゆきとトナカイのうた

ゆきとトナカイのうた 作者:ボディル・ハグブリンク 福武書店 Amazon スカンジナビア半島の北部、ラップランド地方に住む先住民族サーメの人々。トナカイを群れで飼い、いくつもの家族、村が助け合って暮らしています。トナカイのえさとなる苔を求めて移動す…

ナップとウィンクル

みつけたものとさわったもの 作者:ニコラス M.,ウィル 童話館出版 Amazon ナップとウィンクル2匹の犬が、1本の骨を掘りだしました。ぼくが先に見つけたよ、とナップ。ぼくが先にさわったよ、とウィンクル。骨は一体どっちの物か決まりません。 そこで2匹…

クリスマスのうさぎさん

クリスマスの うさぎさん (世界傑作絵本シリーズ) 作者:ウィル,ニコラス 福音館書店 Amazon クリスマス・イブ。デービーは、雪の上に小さな足あとを見つけて森へ入っていきました。最初に出会ったきつねの案内で森のあき地へ行くと、くまやしか、鳥にりす、…

南の国へ おもちゃの旅

南の国へ おもちゃの旅 作者:ハンス・ウルリッヒ シュテーガー 童話館出版 Amazon くまのぬいぐるみのテオドールは、古くなって捨てられてしまいました。その夜、白い塔のある南の海べの村で、たくさんの子どもたちと遊んでいる夢をみます。テオドールは、そ…

まよなかのだいどころ

まよなかのだいどころ 作者:モーリス・センダック 冨山房 Amazon 夜には何がおきているのか? という子どもの頃の思いは、私もおぼえている。真夜中の、子どもが眠らなければならない時間に、ステキななにかがある、というセンダック自身が子どもの頃に感じ…

ガラス山の魔女たち

ガラス山の魔女たち (世界の傑作童話) 作者:E.エステス 学研マーケティング Amazon 魔女の中で1番えらくて、1番悪い魔女ばあさんが、ある日突然、ガラス山へ追放されました。7歳の女の子エイミーが、「魔女ばあさん追服!(追放と征服を合わせた言葉)」…

りんごのき

りんごのき (世界傑作絵本シリーズ) 作者:エドアルド・ペチシカ 株式会社 福音館書店 Amazon マルチンは、いちめん雪におおわれた庭に棒が立っているのを見つけました。おかあさんが「りんごのきなのよ」と教えてくれました。よく見ると、木の幹に傷が。うさ…